ワークショップ さんかくま 「家族の肖像を描こう! みんなの思う平和を描いてみよう!」 in BLD GALLERY

『柿の木の物語』 出版記念展覧会 関連イベント
第4回ワークショップ  「家族の肖像を描こう! みんなの思う平和を描いてみよう!」
ゲスト・アーティスト さんかくま

講師の「さんかくま」は、洋画家、現代アーティスト、研究者、学芸員、洋画を学ぶ学生たちによる熊本在住のチーム。ふだんはそれぞれの立場でアートを追究しているが、今回は柿の木プロジェクトの趣旨に賛同し、熊本から参加してくれた。ワークショップのテーマは「家族の絆」。
家族同士、じっくり見つめあい、お互いの肖像を描いていく。最も身近な人としっかり向かい合い、心を通い合わせることが、地域の、そして世界の平和に関心を持つための第一歩だと彼らは考えているからだ。
 参加する子どもたちは、たくさん並んだ画材に興味津津の様子。お母さんや叔母さんたちは、自分が絵を描けるのか、子どもたちが1時間半も絵を描いていられるのかなど、不安な様子であった。最初にワークショップの説明。お互いを描きあうだけでなく、「最近何が好きなのか」「どんな遊びをしているのか」などお話をしながら、描く相手の好きなものを絵の周りに描き込んでいってほしいという。さらには、記念に、描き合っている大人と子どもの姿を学生さんたちが描いてくれて、あとでプレゼントしてくれるという。
 ワークショップがはじまると、照れくさいのか、ぼそぼそとおしゃべりをしながら、みんなが手を動かし始めた。子どもは親を描くことに慣れているが、お母さんたちはそうではない。少し戸惑いながら筆を進めている。こうして改めて話をしてみると、普段の生活では見えなかった子どものすがた、親のすがたが見えてくるのだろうか、「えっ、今そんな遊びが好きなの?」などと驚きの声も聞こえていた。こうしてお互いを描きあう二人の周りを、講師のアーティストや学芸員のみなさんが声をかけながらまわってくれていた。手のとまりそうな子どもに、「何を描いてあげたの?」「このえんぴつはこんなふうに使うとおもしろい線がでるよ。」などと声をかけ、描くきっかけを新たに与えてくれる。そのおかげか、参加者全員、最後まで手を動かし続け、絵を仕上げた。
 最後は、仕上がった絵をみんなの前で発表しあった。相手のことを想いながら描いた絵は、どれもその人の特徴をとらえ、愛情にあふれていた。発表している本人同士も、自分の描いた絵や相手のことをみんなに紹介するうちに、より一層お互いを好きになっていくかのようで、会場全体があたたかい空気に包まれていった。また、描きあう二人を描いた学生さんの絵には、二人をつつむ空気感までも盛り込まれているようだった。真摯に自分たちを描いてくれる学生さんの姿は新鮮だったのだろう、絵をうけとった子どもたちもとてもうれしそうだった。「こどものよいところをあらためて発見できた素敵な時間でした」というお母さんの言葉が印象深い。ことばで感想は語らずとも、子どもたちも同様に感じていたのだろう。3枚の絵をかかえ、うれしそうに手をつないで帰って行った。

blog画像
blog画像
blog画像

これまでの活動