植樹式 アース・センター

イギリスのアートセンターというところから問い合わせが入ったのは、97年のことです。宮島達男がロンドンでの個展を行った際、苗木の募集を呼びかけ、それに応募してくれたのです。問い合わせが入った時、まだアース・センターはロンドン郊外のドンキャスターに計画途中で、自然観察公園としての機能を持ったテーマパーク内に「こどもの森」を作る予定でした。そして、その申し込みをしてきたアース・センター設立委員のスザンナ・ロビンソンさんは、柿の木プロジェクトの内容をとてもよく理解して、早くから苗木とこども達との関わりを作る企画を提案してくれました。たとえば苗木の植わった後には、この木を見る園内ツアーをつくり、この木の由来などをこども達と話し会うといった計画も早くから実行委員会に寄せられました。完成までの2年間の間、機会を見てはロンドンで実行委員と打ち合わせを行い、たくさんの意見がファックスでやりとりされました。

そして1999年3月6日、苗木はとうとう同センターに植樹されました。地面がまだ雪におおわれ小雨の降る中、詩人のテリー・グリフォードさんが集まってくれた市民やこども達と柿の木に関する詩をラップのリズムで詩を朗読するパフォーマンスを行いました。「カキ・ツリー(柿の木)」「カキ・ツリー(柿の木)」「グローングアップ・カキ・ツリー(大きく育て、柿の木)」と、テリーさんが体を揺らしながらリードすると、まわりのこども達もどんどん声を大きくしながら、テリーさんの詩を一緒になってラップで朗読しました。テリーさんの詩は柿の木をみんなで育てることの大切さを説いた内容でしたが、ラップというスタイルをとったことのユニークさもあり、こども達も熱心に参加していました。植樹当日は大変に寒い一日でしたが、体を動かして詩をラップで朗読したこども達と市民は、顔を上気させ力強くこの植樹を盛り上げてくれたのでした。

blog画像
blog画像
blog画像

これまでの活動