スペインのカナリア諸島出身のロドリゲスさんは、インターネットで柿の木プロジェクトのホームページを見て「被爆柿の木二世」の存在を知り、柿の木プロジェクトに手紙をくれました。「わたしはロンドンに住んでいるのですが、ふるさとのスペインのカナリア諸島に苗木を植えたいのですが。」と。その後ロドリゲスさんの努力で現地の方には、植樹を支える人々がたくさん増え、ついに市民のイベントとして被爆柿の木二世の植樹が行われることになったのです
こうして1999年3月13日、スペインのカナリア諸島のオソリオ市民の家(市民センターのようなところ)に柿の木が植えられました。植樹式では、こども達と大人も参加し1人ずつがスコップで苗木に土をかけていきました。ここでは地元のアーティストによって、2つのワークショップが行われました。ホセ・ルイス・ルザードさん(アーティスト)は、低学年のこども達と大きな紙に、そこにこども達の手形などで柿の木を描くワークショップを実施しました。低学年のこども達は手をいろいろな色で染めながら、大喜びで柿の木をみんなで描きました。ギレルモ・ロレンツオさん(アーティスト)は、高学年のこども達と一緒に「良いこと」「悪いこと」を話し合ったことに基づいたワークショップを行いました。「良いこと」を書いた紙からは、その紙を細かくちぎって入れたろうそくをつくり、「悪いこと」を書いた紙は集めて燃やしました。こども達は、一所懸命自分たちの中の「良いこと」と「悪いこと」を考え、そのことを書き留めてくれました。そして「良いこと」のろうそくを、同じ日に植樹式を迎えていた北区赤羽自然公園の日本のこども達にプレゼントしてくれました。こうした表現のきっかけに苗木が関わって、そしてこども達のこころに残ってくれたことは本当に素晴らしいことでした。