イタリア・ポッジボーンシ市の職員ドナテッラ バグノリさんは、ベネチア・ビエンナーレ展示の際、3度も日本館に来館され、青少年センターでの植樹を実現されました。
ポッジボーンシ市は、長崎と同じように第二次世界大戦の際、空爆による被害があり、二つの平和への思いを結び付けるようにとの思いのワークショップが行われました。ワークショップは数回行われ、色とりどりの柿の葉にメッセージを書いて、部屋中につるした作品を制作。 長崎の原爆、ポッジボーンシの空爆、柿の木プロジェクト、ポッジボーンシで植樹をすることになった過程、4月1日の植樹式、それらを一冊の本にまとめた冊子も作られました。
植樹式は盛大に行われ、市内の小学生とその父兄、市民の方々の総勢300人が参加しました。小学校、各クラス別に植樹場所に行き、こども達が、ひとりずつ苗木にスプーンでひとさじ土をかけていくというとても独創的なアイデアで植樹が行われました。これは、ドナテッラさんのアイデアで、苗木に土を食べてもらうという意味がこめられています。こども達各自が植樹式に参加しているということと、「被爆柿の木二世」に対する愛情、食べるという行為を通して、自分達の成長と苗木の成長を結び付ける働きかけが意図されています。参加したこども達はワークショップでつくられた自分の名前入りの布を頭や腕、腰に縛った格好で植樹に参加しました。「木」、「柿」、「柿の木プロジェクト2000」、「友」、「子」など日本語で記された紙がなびいた会場のなかで、植樹が終了。苗木は、こども達から土の栄養とたっぷりの愛情をそそがれて植樹されました。
こども達と被爆柿の木の苗木が、自然な形で、こども達に繋ぎあわされた形でおこなわれた植樹。柿の木の成長をとおして、常に現在の思い出をはぐくむことを願った植樹式にしたいという主催者の思いがまさにかたちになった植樹式となりました。