須坂市高甫地区は昔から柿の産地として有名で、高甫小学校の校章は柿の花をデザインしたものになっています。地域の人々の柿に対する思い入れは格別のものがありますが、昭和46年の伊勢湾台風により、ほとんどの柿の木が倒れてしまい、「柿の里」の面影はなくなってしまいました。須坂市高甫地域づくり推進委員会の会長 荒井清治さんが柿の木プロジェクトを紹介した新聞記事を読み、かつての「柿の里」に「被爆柿の木二世」を植樹して、「平和運動への発火点」としていきたい、との思いから植樹申し込みをしました。
植樹に先駆けて、こども達は平和への願いを書いた立体メッセージカードを作ってくれました。カードを開くと2個の柿の実がとびだし、柿の実には平和への思い、柿の木を大切にしたいなど、各自のメッセージが書かれています。
植樹式は全学年の児童と地域の人々が参加し、柿の木の授与、坂市高甫地域づくり推進委員会長・荒井清治さんの挨拶、海老沼正幸先生のスピーチがありました。鼓笛隊による演奏が行われ、柿の木に土がかけられました。
植樹の翌年、地元住民に柿の木の愛称の募集を行ったところ、高甫小学校1年生の作品が選ばれました。2本の柿の木には「タッキー」と「ナッキー」と名前がつきました
その後も、柿の木は実をつけるほど順調に大きくなりました。高甫小学校では、植樹後、毎年11月に 全校児童による「柿の皮むき体験会」を開催し、こどもたちと老人会、婦人会、PTA、地域づくり推進委員、地域の方々が一緒になって干し柿をつくり、児童や幼稚園、近隣の施設に届けています。