2008年の秋、国際的な人道組織である「戦争なき世界」から「平和と非暴力のための世界行進」というプロジェクトが発案されました。このプロジェクトにより、2009年10月2日のニュージーランドから、2010年1月2日のアルゼンチンまで、何百万人という人々の参加がよびかけられました。
そして、この「平和と非暴力のための世界行進」のブレーシアのコーディネーター、ティツィアーナ・ヴォルタさんによって、2011年にここカステネードロのレオナルド・ダ・ヴィンチ国立総合学院と、ラクイラのジョスエ・カルドゥッチ第一中等学校の植樹が実現しました。
カステネードロは1990年代半ばまで、対人地雷を製造していた企業ヴァルセーラで知られる地方自治体です。柿の木を迎え入れるために、ティツィアーナ・ヴォルタさんは教育・文化査定委員会や、この地方の学区の校長先生達とも連携をとり、植樹式の1年前から、こども達は熱意を持って、被爆柿の木2世について深く学び、その歴史的な意義についても学び、準備を進めてきました。
海老沼先生が、ティツィアーナさんに案内されて、町を歩いて植樹場所である「レオナルド・ダ・ヴィンチ」国立総合学院」に到着すると、そこには、市長、フランチェスコ氏をはじめ、大勢の人が既に集まっていました。校舎のガラス戸には、大きな柿の木の絵が貼られ、校庭には芝生の上に白い折鶴が点在しています。また人の背丈ほどの柿の木のオブジェも校庭の真ん中に展示されています。
植樹式は、フルート、クラリネット、木琴などによる演奏から始まりました。司会者から海老沼先生の紹介があり、プロジェクトについての説明、植樹申込者、ティツィアーナ・ヴォルタさんの挨拶、フランチェスコさん、海老沼先生、市長の挨拶と続きました。その後 各学校から子どもたちの8つの演目、詩の朗読や歌が披露されました。植樹は、既に葉の芽をつけている柿の木に、こども達の代表が土をかけて行いました。植樹後に再び演奏があり、柿の木ふろしきの贈呈が行われました。こども達の楽しそうな顔が印象的な植樹式でした。