アフリカブーグー(ABG)は、イタリアのNPOで、2005年から、アフリカ大陸北西部に位置するマリ共和国で活動しています。本組織は、首都バマコから北へ約40km離れた所にある、イェレケブーグーという村落の各地で、教育と保健インフラの建設および運営を、その村落と地方行政と共に行っています。
具体的には、4校の地域学校(ンティエアニ、ジニンジェブー グー、コバ、ファンシラ・コロの村々)と1軒の診療所(ンゴロファラ村)が、 健康教育、森林再生、園芸、マイクロ・クレジット及び給水といった、他のプロジェクトと共に、建てられました。ABGはまた、この地域で40年ほど前から活動している、イタリア人宣教師たちと協力して、生徒・学生たちのための小さな図書館と、障害のある子ども達のためのセン ターの建設でも支援をしました。2012年に軍事クーデターが発生し、民主的に選ばれた政府が倒されました。それに続き、トゥアレグ人の反政府勢力とイスラムグループが、国の北部地域を制圧しました。国際的圧 力の下、合法的な民主的状況に戻そうとする試みのために、暫定政権が樹立されました。この国が内戦に発展しかねない、内部の緊張を経 験しているという事実をかんがみて、柿の木プロジェクトの平和と希望のメッセージを、これらの地域に伝えることが、最も重要なことで はないかということから、植樹の申し込みがありました。
植樹式の数日前から様々な活動がたくさん行われました。苗木の横に設置される銘板が製作され、茂みに植えられた苗木を動物たちから保護するための戦略が検討され、植樹のための穴と土壌が整備され、演劇のリハーサルが行われ、カティの学校4校で平和をテーマにした絵と詩 のコンテストが行われて入賞者が選出され、飾りつけと子ども達への活動が準備されました。これら全ての作業は多くの人々、生徒たち、 先生方、職人たち、ボランティアの皆さん、新しい友人たちのお陰で可能になりました。彼らが注いでくれた熱意とエネルギー、そして彼 らの存在によって創り出された雰囲気に対し、全員に感謝の意を表したいと思います。
植樹式の数週間前に絵と作文のコンテストに参加したカティの学校から来たおよそ400人の子ども達で、にぎやかな植樹式となりました。図書館全体が子ども達の絵で彩られまし た。図書館長のポールさんの、皆に出会いと知識の交換の場であるこの建物に来てほしいというメッセージのお陰で、多くの子ども達に とって図書館を知る機会となりました。ここにいたという証拠を示し、そのメッセージを分かち合うために、各参加者は、葉や柿の実や自分の手形を押して、入口につるされた大きな柿の木の形をした作品に貢献しました。the amis de Kizito(キジトの友人たち)グループの演劇パフォーマンスでは、子ども達全員 が沈黙しました。木を囲んでいた子ども達に落ちてきた原爆の轟音を前にして驚いて言葉を失い、海老沼先生のお世話のお陰で治療され、新 しい実が再び誕生する場面では歓声を上げていました。その後、植樹が行われました。子ども達によって土と水をかけられ、海老沼先生のメッセージが読み上げられました。植樹式はコンテスト優勝者たちへの賞品授与で締めくくられました。平和についての文章を書いた低学年の参加者たちには色鉛筆が、高学年の生徒たちには1年間図書館に自由に立ち入ることのできる権利が与えられました。これは、無知と非寛 容を破壊し、文化を通しても平和が築かれると考える図書館の委員会によって、強く支持された意義深い賞です。その結果式典が終わった翌週既に、コンテスト優勝者たちが初めて図書館にやって来たのです。これからもマリ共和国で子どもたちと共に柿の木が大きくなってくれることを願っています。