2018年8月5日、「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ」の開催に合わせて、柿の木プロジェクトのワークショップを開催しました。
2000年の第1回大地の芸術祭にてプロジェクトの活動を紹介する展示を行った十日町市太平では、2001年に集落開発センター隣の広場に柿の木を植樹。その後は毎年冬に雪囲いをしてもらい、大きく成長しています。2015年に「長太」と「ノコル」と名付けられた2本の木は、連日の猛暑にも関わらず、青い実をつけて元気に私たちを迎えてくれました。
今回はファシリテーターに「あそびとくらし●▲■」さんと前回に引き続きアーティストの浅野みささんを迎え、パエリアワークショップと柿の木を応援するフラッグ作りを行いました。
当日は参加者が太平集落センターに集まり、「あそびとくらし●▲■」の渡邉裕樹さんから柿の木プロジェクトについて自分の経験と結びつけたお話をしていただきワークショップは始まりました。パエリアは50食作れるパエリアパンを2つ用意して100食を参加者と作りました。二つのチームに別れて、子どもから大人まで協力して材料をカットし、それを炒めました。野菜の大きさ、火加減などそれぞれにパエリアの表情があり、参加者のテンションも最高潮。
出来上がりを待つワクワクとした気分漂う中、同時進行でフラッグ作りを行いました。柿の木の下に並べられたフラッグには色とりどり、三者三様の思いが描き加えられました。最後は待望のパエリアオープン。夏野菜に彩られたパエリアは周囲の田んぼの緑に囲まれた会場で美味しく完食されました。
今回、2000年の展示に関わっていただいた高校生が手伝いに駆けつけてくれたり、当時植樹に参加した集落の方々が足を運んでくれたり、さらに野菜を差し入れてくれた近所の方、おばあちゃんグループなども参加されて太平らしい雰囲気が充満したワークショップとなりました。この集落の土と水と空気で育った米や野菜を通じて、柿の木が感じる「美味しい」をいただきました。
共催:十日町市による来訪者へのおもてなし・千客万来事業「松代おやっこ村のおもてなし」
—当日の参加者のお二人よりコメントをいただきました—
ワークショップ当日は、100人の参加者が集まるかどうか心配しましたが、事前にチラシで周知したこともあって大変盛会となりました。特に地元食材を使った巨大パエリア100人分のおもてなしが柿の木の下でできたこと、18年前に参加した若者たちが立派な大人になって参加していたことなどが柿の木の生長と重なり、「関係づくりのアート」を実感したような気がしました。(富澤恵子さん)
このプロジェクトに関わるのは18年ぶりの事。高校生の時、ボランティアスタッフとして参加しました。毎日、展示場に来られる方々とお話をして、沢山の出会いがあり、とても充実感のある夏でした。あれから18年。久しぶりにこのプロジェクトに当時の仲間と関わることができました。楽しくみんなでパエリアやフラッグ作りをして、植樹された柿の木も立派に大きくなっていて、とても懐かしい気持ちになり、人とのつながりの大切さを改めて感じました。(川﨑美夏さん)